胸像台座の制作現場から ― 石に込めた職人の技と心
こんにちは。愛媛県内を中心にお墓の仕事をしています、青山今治店の村上です。
今回は、以前ご依頼をいただいた胸像台座の制作現場などを2件分ご紹介させて頂きます。
台座① (松山市からのご依頼)
台座 / 大島特級石・太鼓岩
天端台石 / 大理石
ご相談の経緯とご提案内容
以前にも胸像台座のご依頼が有ったお客様より、松山市に新病棟が完成するにあたり、胸像台座を同様の仕様で3台製作するご依頼が有りました。
お客様からは、「前回同様で良い大島石を使って下さい。」とのご要望をいただきました。
設計図面を作成し、打ち合わせをさせていただきました。
弊社の大島特級石・太鼓岩です。
墓石で使用している石で、目が細かく天然の青みが濃い特級材です。
本社工場 作業の様子
【ダイヤモンドワイヤーソー】
原石を製品にする為、丸鋸では切れない大きい原石を、ダイヤモンドチップがついたワイヤーを高速で回転させながら粗切りします。
【石材切削機】
ダイヤモンドワイヤーソーで粗切りした石を、各部材ごとに切削していきます。
据付工事はお客様の方でされるとの事で、台座をお客様の会社に搬入させていただきました。
お客様からは「今回も素晴らしい大島石で製作していただきありがとうございました。」とお喜びいただきました。
台座② (今治市からのご依頼)
台座 / 大島特級石・青山ブルー
レリーフ彫刻 / 庵治石(香川県産)
ご相談の経緯とご提案内容
今治市の企業様より、50周年事業で会長様の胸像台座のご依頼をいただきました。
今回は、設計から据付工事まで全工程のご依頼でした。
ご提案させていただいたイメージパースです。
台座には、企業様の建物の一部分を取り入れ、3本の柱を社員がこれからも会社を支える決意の象徴と考えました。
素材には、弊社が40年程前に採掘した格別に青みの濃い大島特級石・青山ブルーを使用しました。
また、この素材には自然が作り出した模様も入った特別な石です。
本社工場 作業の様子
素材寸法は1700㎜×950㎜×1450㎜です。
この模様は珍しい素材ですので、力強い歩みで大きな会社に成長された姿勢を、大島石の自然の力強さで表現出来ればと考えました。
【石材切削機】
ダイヤモンドワイヤーソーで粗切りした石を、各部材ごとに切削していきます。
【自動研磨機】
コンピュータ制御により石材の高さを自動で読み取り研磨圧力や研磨回数を管理しながら研磨していきます。
自動研磨機では、単に機械を動かすだけでなく、職人の技術と経験も非常に重要になります。
庵治石(香川県産)を使用したレリーフ彫刻で、細部にわたり表現された手加工品です。
施工時の様子
台座の底面を沈める為に、建物のタイルを剥ぎ取り作業の様子です。
室内での作業ですので、周りが汚れないように養生やブルーシール内で作業しました。
建物の基礎部分にケミカルアンカーを使用し、台座と基礎を一体化させるよう施工しました。
3分割にした石と石の接地面は、弊社が使用する墓石用強力接着剤を使用しています。
完成後、関係者の方々がお見えになり「素晴らしい台座が完成した。」と大変お喜びいただきました。
完成後の感想
どちらの台座も、弊社大島石特級石を使用し、日本国内での加工で制作させていただきました。
関係者の皆様からも、お喜びの声をいただき大変嬉しく思います。
また、この様なご縁をいただけた事に感謝致します。
弊社では、これからも故郷の自然が生んだこの素晴らしい資源と日々向き合いながら、刻み・磨き上げ・新しい命を吹き込んでいきます。